Claude 導入マニュアル
Claudeを業務に導入し、安全に運用するための
準備・設定・ルールをまとめたマニュアル。
Claudeを業務に導入し、安全に運用するための
準備・設定・ルールをまとめたマニュアル。
目的・体制・進め方の整理
プラン比較・Desktop・Cowork の基本
フォルダ・Projects・CLAUDE.md
Skills・Hooks・権限・MCP
Chrome・Microsoft 365 での実務活用
統制・安全ルール・導入ロードマップ
導入の目的と体制、進め方の全体像を整理する。
全社導入の前に、定型業務を対象として効果と安全性を確認する。
多くの組織は、議事録・通知文・FAQ・各種申請対応など、型が決まっていて繰り返しの多い文書業務を数多く抱えている。これらは効果を測りやすく、対象範囲も限定しやすいため、全社導入に先立つ試験導入の対象として適している。本マニュアルでは、講師が指導し責任者1名が環境を整備する体制のもと、限定された範囲・権限で安全に検証を進める手順を示す。
定型業務は担当者ごとにやり方が異なり、品質や所要時間にばらつきが生じやすい。判断の根拠や過去の対応がドキュメント化されていない場合、引き継ぎや繁忙期の対応に負荷がかかる。こうした課題に対し、判断基準とルールを文書化し、誰が対応しても同じ品質を保てる状態を目指す。
第一に、繰り返しの文章作業にかかる時間を短縮する。第二に、属人化を解消し対応品質を均一化する。第三に、範囲と権限を限定した段階的な検証により、安全性を確認したうえで全社展開の判断材料を整備する。
プランごとの機能差を確認し、Desktop・Cowork の基本操作を押さえる。
研修の前に、プラン・権限・アプリの準備を確認する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プラン | Team / Enterprise(Cowork・Claude Code は有料プラン) |
| ログイン | 会社アカウント(SSO 連携を推奨) |
| アプリ | Claude Desktop をインストールする |
| 利用可否 | Desktop・Projects=全員/Cowork=有料プラン/Code=改善担当のみ |
| 接続 | Google Drive・Slack 等は必要最小限を管理者が許可 |
| 安全 | 個人情報の取り扱い範囲を事前に明文化する |
✓ 利用可 / △ 制限あり / − 不可。自社のプランで使える範囲を確認する。
| 機能 | Free | Pro | Max | Team | Enterprise |
|---|---|---|---|---|---|
| 通常チャット | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| Projects(業務の作業場) | △ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| Cowork(ファイル横断作業) | − | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| Claude Code(半自動処理) | − | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| Skills(手順の部品化) | − | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| MCP / コネクタ | △ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| ナレッジ共有・共同運用 | − | − | − | ✓ | ✓ |
| メンバー管理・権限(RBAC) | − | − | − | ✓ | ✓ |
| SSO/SCIM・監査・データ保持 | − | − | − | △ | ✓ |
※ 個人プラン(Pro/Max)は各自利用が基本で、ナレッジ共有・中央管理はできません。部署で共通運用するなら Team 以上が必要です。最新の対応状況は公式のプラン表で確認してください。
名前がクラス、数字が世代を表す。既定は Sonnet、難所だけ Opus、大量処理は Haiku。
| モデル | 位置づけ | 向く業務 | API価格(入力/出力) |
|---|---|---|---|
| Opus 4.8 | 最上位。最も深い推論 | 設計判断・複雑な分析・長時間のエージェント作業 | $5 / $25 |
| Sonnet 4.6 | バランス型。既定モデル | 文書作成・要約・翻訳・日常のコーディング | $3 / $15 |
| Haiku 4.5 | 最軽量・最速 | 分類・抽出・大量の定型処理・リアルタイム応答 | $1 / $5 |
| Fable 5 | Mythosクラス(最高性能) | 長時間の自律タスク。詳細は次ページ | $10 / $50 |
※ 100万トークンあたりの価格。2026年6月時点の世代。まず Sonnet で試し、2〜3往復して収束しないときだけ Opus に切り替える。Claude Code では /model で切替でき、計画は Opus・実装は Sonnet の併用もできる。
2026年6月9日公開。Mythosクラスの能力を、安全装置つきで一般利用に開放したモデル。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置づけ | Mythosクラス初の一般提供モデル。一般提供済みモデルとして最高性能 |
| 得意領域 | ソフトウェア開発・ナレッジワーク・画像理解・長時間の自律タスク |
| 安全装置 | サイバーセキュリティ・生物・化学等の高リスク要求は Opus 4.8 が代替応答(発動はセッションの5%未満) |
| 提供範囲 | Pro / Max / Team / シート制 Enterprise に追加費用なし(6/22まで)。6/23以降はクレジット制に移行 |
| API価格 | 入力 $10 / 出力 $50(100万トークンあたり) |
| Mythos 5 | 同一モデルの制限緩和版。審査済みのサイバー防衛・インフラ組織に限定提供 |
※ Mythosクラスの利用には30日間のデータ保持が必須となる(既存のゼロ保持契約にも優先)。法人導入では自社のデータ保持ポリシーへの影響を事前に確認すること。
自社のプランに合わせて、無理のない使い方を選ぶ。
チャットで文案・要約から。Projects などは制限あり。
Projects・Cowork・Code・Skills を各自で活用。共有・統制はできない。
共通ナレッジとメンバー管理で、部署に本格導入できる。
SSO・監査・RBAC でガバナンスを効かせる。
業務の場面ごとに、使用するツールを使い分ける。
| 用途 | 使うもの | 向いている業務 |
|---|---|---|
| ちょっとした相談・文案 | 通常チャット | 社内通知、メール、説明文、議事録の整形 |
| 部門ナレッジ付き相談 | Projects | 社内規程FAQ、申請フロー、備品管理、入退社対応 |
| 複数ファイルをまたぐ実作業 | Cowork | ファイル整理、資料作成、契約・報告書の要点抽出 |
| 半自動化・一括処理 | Claude Code | CSV整形、ファイル名変更、定型資料生成 |
| 繰り返し手順の標準化 | Skills / CLAUDE.md | 議事録化、社内通知、稟議チェック、FAQ更新 |
| 資料・デザイン作成 | Claude Design | スライド、ワンページ資料、画面モック、マーケ素材 |
この順番で触る。各ステップに自社の画面例(スクリーンショット)を追加できる。
| STEP | 操作 | ポイント |
|---|---|---|
| 01 | Claude Desktop にログイン | 会社アカウントで |
| 02 | チャットで相談する | まず議事録の整形を試す |
| 03 | Project を作成する | 業務テーマごとに1つ |
| 04 | 参照資料をアップロード | 規程・テンプレを入れる |
| 05 | Cowork で作業フォルダを指定 | 触らせる範囲を限定する |
| 06 | Skill を呼び出す | 定型作業をワンコマンドで |
ひとりで進める作業と、チームで進める作業を分ける。Cowork はチームで検討する場面で使う。
2026年4月公開の Anthropic Labs 製品(リサーチプレビュー)。会話と直接編集で視覚的な成果物を作る。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作れるもの | スライド・ワンページ資料・画面モック・操作できるプロトタイプ・マーケ素材 |
| 進め方 | 指示 → 初版生成 → チャット・インラインコメント・直接編集・調整スライダーで修正 |
| デザインシステム | コードやデザインファイルから自社の色・フォント・部品を学習し、全プロジェクトに自動適用 |
| 書き出し | Canva・PDF・PPTX・単体HTML。実装は handoff で Claude Code に引き継ぐ |
| 提供範囲 | Pro / Max / Team / Enterprise。利用は既存サブスクの上限にカウント |
| 注意 | Enterprise では既定でオフ。管理者が組織設定で有効化する |
フォルダ・Projects・CLAUDE.md を整備し、指示を設計してから運用を始める。
責任者がテンプレートを作成し、メンバーはその構成に従う。
ファイルを直接操作する機能のため、使用者を1名に限定する。
全コマンドを暗記せず、作業フェーズごとに使うものを決める。
| フェーズ | コマンド | 使い方 |
|---|---|---|
| 初期化 | /init | repoを読み、初期のCLAUDE.mdを生成する(生成後は人が編集) |
| 計画 | /plan | 編集前に計画を作る。大きな変更の入口 |
| Skill管理 | /skills /reload-skills | 利用可能なSkillの確認・再読込 |
| 権限 | /permissions /permission-mode | allow / ask / deny と現在のモードを確認 |
| context管理 | /context /compact /clear | 使用量の確認、圧縮、セッション整理 |
| 検証 | /run /verify | コマンド実行と検証ループの管理 |
| レビュー | /code-review /security-review | 実装後のレビュー・セキュリティ確認 |
| 復旧・診断 | /rewind /doctor | 失敗時の巻き戻しと診断 |
前提を一度記述し、繰り返し利用できるようにする。
すべての会話に共通する前提。
その業務だけの約束ごと。
設計・拡張・運用をまとめた周辺設計の総体。目的は性能の向上ではなく、操作範囲を限定し誤操作を防ぐことにある。
触らせる場所と出力先を限定する
業務単位の共通ルールを最初に入れる
全体に効く永続的なグローバル指示
繰り返し手順を標準化して呼び出す
必要最小限の外部接続だけ許可
実行の前後に自動チェックを挟む
使える人・機能を切り分ける
出力は必ず人の確認を通す
形式を固定し品質を均一化する
繰り返しの作業を、自然言語の指示ではなく仕組みで安定させる。Skills・Hooks・権限・MCP を組み合わせる。
繰り返す作業を手順化し、品質を均一化する。型の決まった業務から着手する。
SKILL.md に発動条件と手順を記述し、繰り返す業務を呼び出して実行する。
| Skill | 目的 |
|---|---|
| minutes-to-actions | 議事録から TODO・担当者・期限を抽出 |
| internal-announcement | 社内通知文を会社の文体で作成 |
| policy-faq | 社内規程に基づく FAQ 形式で回答 |
| application-check | 申請書の不足・添付漏れ・期限を確認 |
| contract-summary | 契約書・見積書から更新日・金額・注意点を抽出 |
ブラウザ(Chrome)と Microsoft 365(Excel・PowerPoint・Word・Outlook)で、日常業務に直接組み込む。
「何をどこで動かすか」を分けると、安全に使える。
| 種別 | できること | 向く作業 |
|---|---|---|
| Claude in Chrome | 閘覧中のWebページを読み、クリック・入力・スクショとレーション | SaaS操作、Webの反復作業 |
| Claude Code with Chrome | コード変更後にWebアプリを開いて検証(console/network/DOM) | localhostの画面確認、E2E検証 |
| Computer Use | ブラウザではなくOS上のアプリ操作へ拡張 | ローカルアプリの特殊なGUI |
※ ブラウザ操作はベータ機能(Pro/Max/Team/Enterprise)。「Ask before acting(実行前に承認)」を基本とし、購買・送信・削除など高リスクは原則禁止。プロンプトインジェクション対策を前提に。
「ファイルを作るClaude」と「Office内で開いているファイルを編集するClaude」を分けて理解する。
| 利用形態 | 使う場所 | できること |
|---|---|---|
| ファイル生成・編集 | Claude Web / Desktop / Mobile | 会話から XLSX・PPTX・DOCX・PDF を生成してダウンロード |
| Office アドイン | Excel/PPT/Word/Outlook のサイドバー | 今開いているファイル・選択範囲・コメントを文脈に編集 |
| Office 横断作業 | 複数のOfficeを同時に開いた状態 | Excel→PPTX→Word→Outlook と文脈を受け渡してつなぐ |
※ アドインは有料プラン向け。CLAUDE.md は自動適用されず、常時効かせたい方針は各アドインの Instructions や Skills に記述する。
開いているシートのセル・選択範囲を文脈に、モデルを読み・見直す。
アドインで編集するPPTXと、Claudeで生成するPPTXを分けて考える。
変更履歴(tracked changes)とコメントを使い、人が受け入れを判断できる形で提案する。
メール・添付・予定を扱い、Office間で文脈をつなぐ。
| 領域 | できること |
|---|---|
| 受信箱 triage | 未読を「要対応 / 草案可 / ノイズ」に分類 |
| 返信草案 | 文体に合わせて「未送信ドラフト」をcompose paneに置く |
| スレッド要約 | 長いやりとりの決定・未解決・担当を引用付きで |
| 添付読解 | docx/xlsx/pptx/pdf を開かずに変更点・要点を要約 |
| Office横断 | Excelモデル→PPT要約→Wordメモ→Outlook返信を連携 |
※ 返信・予定は原則「未送信ドラフト」。管理者は Microsoft Graph 権限(Mail.ReadWrite 等)をリスク評価項目として確認する。
組織で安全に使い続けるための統制・安全ルールと、ハンズオンから導入ロードマップまでの導入支援。
Team / Enterprise で使う場合は、管理者側の初期設定を先に定める。
| 項目 | 設定すること |
|---|---|
| SSO / SCIM | 利用者を ID 管理基盤と連携する |
| RBAC(権限) | Cowork を使える人・使えない人を分ける |
| グループ | 部署・役職ごとに分ける(情シス・管理職・一般社員) |
| コネクタ | Google Drive・Slack・Microsoft 365 を必要最小限に |
| データ保持 | 保存期間を定める |
| 監査 | 使用状況・ログ・支出を確認する |
| Cowork 利用範囲 | まずはパイロットグループのみ有効化する |
| Claude Code 利用者 | 改善担当・情シスに限定する |
※ Cowork の操作は監査ログ/Compliance API に未対応の場合があります(本資料作成時点)。最新の対応状況は管理コンソールで確認してください。
組織規模で使う際に、管理者が採うべき領域。
| 領域 | 管理すること |
|---|---|
| managed settings | 組織標準の権限・設定を上書き不可で配布する |
| managed CLAUDE.md | 全員に効く共通方針・禁止事項を管理者が配布 |
| sandbox | ファイル・ネットワークの実行範囲を隔離する |
| secrets | 鍵・資格情報の読み取りを deny で固定する |
| データ保持 | 保存期間・transcripts・ローカル情報の扱いを定める |
| 監査 | 設定変更・利用状況をログ化し、SIEM に連携する |
運用を始める前に安全ルールを定め、全員で共有する。
「何を入れてよいか」を具体例でそろえる。
CLAUDE.md・rules・Skill・permissions・hookの最小セットを段階的に作る。
| Step | 操作 | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | /init で CLAUDE.md を生成 | 不要な説明を削り、主要コマンドと禁止事項を追記 |
| 2 | .claude/rules/security.md を追加 | secretの出力・複製を全ファイルで禁止 |
| 3 | safe-refactor Skill を作成 | 小さい差分と検証を伴う標準手順を部品化 |
| 4 | settings.json で deny を設定 | .env・secrets・危険コマンドを設定で遮断 |
| 5 | hook で保護ファイルを二重化 | 設定ミスや誤操作に備え hook でもブロック |
| 6 | /plan から実装を依頼 | 計画 → 実装 → 検証 → 引き継ぎ の型で回す |
完成後は /context で読込状態、/skills でSkill表示、保護ファイルへの編集が止まるかを確認する。
Claude Codeで検証した構成は、そのままSDK設計に対応づけられる。
| Claude Code での構成 | SDK・自社harnessでの対応 |
|---|---|
| CLAUDE.md | system prompt・repo summary loader |
| Skills | workflow module・playbook |
| permissions | tool allowlist・ポリシーエンジン・承認フロー |
| hooks | pre/post tool middleware・監査ロガー |
| MCP | tool server・コネクタ |
| subagents | multi-agent worker・planner / evaluator |
| /run・/verify | テストランナー・CI・評価harness |
| handoffファイル | state store・作業記録 |
CI bot・レビューbot・社内調査agentへ発展させる際も、toolはallowlistとポリシーで制御し、検証と監査を接続する。
小さく始めて、安全を確かめながら段階的に広げる。
責任者がフォルダ・CLAUDE.md・権限を整備。対象業務を選ぶ。
少人数で実務適用。型と例文、Skillをためる。
成果をSkills・Instructionsに集約。安全ルールを確定。
対象業務・部署を拡大。管理者統制を整える。
本マニュアルで使う主な用語。
| 用語 | 説明 |
|---|---|
| 通常チャット | その場の相談・文案づくりに使う基本機能 |
| Projects | 資料と指示をまとめた、業務単位の作業場(クラウド) |
| Cowork | デスクトップのファイル/フォルダを横断する作業モード |
| Claude Code | ターミナルで動く半自動の作業ツール(責任者向け) |
| Skills | 手順を部品化して呼び出す仕組み(SKILL.md) |
| CLAUDE.md | 全体に効く永続的な指示ファイル |
| MCP / コネクタ | 外部サービス(Drive・Slack 等)との接続 |
| Hooks | 実行の前後に挟む自動チェック |
本マニュアルの内容を、弊所のハンズオン研修で貴社の業務に合わせて実装します。環境構築・指示設計・Skills化・安全ルールまで伴走します。
公開版では5ページ目まで閲覧できます。全ページ版では、プラン比較、Desktop、Projects、 Skills、Hooks、MCP、安全運用まで確認できます。
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